住宅購入ではよく「頭金が必要」もしくは「当社の物件は頭金0円で購入できます」なんて書いてあります。
頭金の性格とは?物件価格-借入れ額で残った金額が頭金とされる訳ですが、なぜ必要なのか?売主は頭金がある無しなんて残金決済までにローン等々のお金が全額そろえばいいので、本来は関係ありません。頭金とは銀行が求めているのです。(この場合手付金とは性格が異なります)銀行の考えとしては
①頭金も十分に貯められない人間は、この先何十年も住宅ローンなんて払って行ける訳ない
②万一何かあって担保物権(購入した物件)を売却する時買った定価じゃ損する(抵当権が抹消できない)
なんて理由です。
売主は頭金が多いとローンが通りやすくなるので喜ぶのです。しかし「頭金0でも購入可」なんて書いてあるチラシの本音は「売れない物件だからこのさい何でもいいから契約したい」なのです。売れている物件の営業マンは頭金0円では相手にしません。だから頭金0円もしくはそれに近い人は売れない物件を買うか、頭金を貯めるかどちらかの選択しかないのです。頭金のある人は頭金0円で買える物件に手を出してはいけません。よく「頭金はいくら位必要ですか?」と尋ねられますが、「ローンが通ればいくらでも構いません」が答えなのです。
いろいろな住宅購入マニュアル本では「頭金は物件価格の2割~3割準備しましょう」なんて書いてあります。
あってこしたことはありませんが大切なのは返済比率です。住宅を買う前の事(頭金)を判断するのか?買った後の事(返済比率)を判断するのか?
※返済比率 年間返済額÷年収×100
実際どのくらい頭金を用意すればいいのか?
返済比率と年収とのバランスです。仮に5000万円の年収の世帯では返済比率70%でも返済可能ですが300万円の年収の世帯では返済比率25%でも厳しいです。それから借入れ金額を逆算して頭金をはじき出すのです。
返済比率判断基準
(金融機関によってまた利率などでも変動します)
年収280万円以下 | 返済比率25%以内 |
年収380万円以下 | 返済比率30%以内 |
年収380万円以上 | 返済比率35%以上 |
ちなみに銀行での頭金判断基準はこんなところです。
(それぞれの案件で対応しますので確定した数字ではありません)
優良顧客(公務員) | 頭金 0% |
上場企業社員 | 頭金10% |
その他サラリーマン | 頭金20% |
自営業者50% | 頭金50% |
まとめ
住宅ローンはいくら頭金があるかではなくいくら返済できるかで判断します。しかし良い物件を購入したいのなら頭金を貯めるべきです。それが銀行のしくみだから。